*** 真空管ラジオ、修理〜製作の部屋。(409) ***

***PHILCO CHASSIS TYPE 91 9球ラジオ***  
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修理依頼
*** 30年9月28日〜 ***

@
*神奈川県のY様からのレストア依頼です。
*フィルコの大型2バンドラジオ、ST管が9本使用されてます。
A
*古典ラジオにしては状態の良いラジオです。
B
*受信可能との事ですので、鳴らしてみました。
*中波は受信できますが、全体に感度不足と、音量が上がりません。
*真空管はST管の42が2本と整流管80は確認できますが、他の球は不明です。

C
*回路図を先に探しましょう。
D
*ケースからシャーシーを出しました。
E
*シャーシーにサビはありませんが、数十年の埃が凄い。

F
*真空管を綺麗にしましたら型番がすべて分かりましたので、テスト致します。
*44は2本ともGOOD。
G
*36も同じくGOODです。
H
*37も3本共GOODです。

I
*42は2本共ヒーター点火後、ここまで上がるのに1分ほどかかりましたので、交換したほうが良いでしょう。
J
*真空管構成は、初段より44−36−44−37−37−37−42−42−80です。
K
*シャーシー内の配線は綺麗です。
*入手した回路図と見比べます。

L
*左アンテナコイルで、上に44−36−44のソケットが見えます。
M
*42と80整流部です。
N
*ハムが発生したようで、33μのコンデンサー2個追加されてますが、古い電解コンデンサーは配線されてます、古い電解コンデンサーは配線を外した方が良いでしょう。

O
*シャーシー清掃、綺麗になりました。
P
*フィールドスピーカーです。
*上2端子がフィールドコイル、下2端子がOUT1次側、これが端子2個なので当初シングルと思いましたが、フィールドからOUT1次の中点に繋がっていまして42PP回路と分かりました。
Q
*手前のトランスが37から42渡しのトランスで、奥が電源平滑チョークトランスです。
*42プレート電流のみフィールド手前からの給電です、やはり全真空管のBをフィールドに流すと、フィールドコイルの電流容量の関係でしょう。

R
*巻き線抵抗、42PPのカソード抵抗、Bマイナス等が接続されてます。
S
*右音量ボリューム、中央バンド切替、左トーン切替。
21
*動作させて各電圧チェック。
*追加された平滑のコンデンサーを外して動作させると、受信はするがやはりハムがひどい。
*フィールドコイル出口での電圧が低い、この辺りに問題がありそうです。

22
*古い電解コンデンサーの配線を外して、配線やり直し致しました。
23
*このラジオは電源が115Vなので規定の電圧をかけて各チェック、やはり古いコンデンサーの配線が災いしておりました。
24
*IF周波数は260KHzのようです。

25
*それにしても音質が悪く、コンデンサー抵抗は異常ないので、ためしに別のスピーカーでテストすると良い音で聞こえます。
26
*スピーカーを取外したところ、信じられない光景です、これでは良い音は無理でしょう。
27
*電源トランスの配線を外すため、抵抗を外します。

28
*このコンデンサーも外し、新しいものに交換致します。
29
*配線は絡めてハンダ付けしてあり、外すのが大変でした、これでトランスを外すことができます。
30
*電源トランス取外し。
*このトランスは1時間ほど受信状態で手で触れないほどの発熱がありました。

31
*トランス取付穴は新規にあけ直しになります。
32
*新品の電源トランス。
33
*取付穴あけ、抜き穴はそのまま使用できそうです。

34
*残念、抜き穴が狭すぎるので切りなおし。
35
*トランス取付。
36
*シャーシー内側より。

37
*整流管の配線と、抵抗取付て配線を始めます。
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*検波段〜42までとりあえず終了。
*電源コード交換のとき気がつきました、このラジオにはフューズがありません、危険ですので取付たいのですが、シャーシー外側に取付スペースがありません、さて?。
39
*フューズホルダーはバリコンの後に取付。

40
*トーン回路、これは音を聞いて容量調整を致します。
41
*受信調整、流石5球スーパーより感度が良い。
*音量も大きく迫力があります。
*バリコンを抜くと発信が止まりましたが、原因は局発回路36のBが低かったので少し上げ正常に致しました。
*受信範囲は、510KHz〜1600KHzと1300KHz〜3500KHzでしたので、短波帯の放送は殆ど聞こえないでしょうが、当地ローカル局1557KHzは元気に聞こえております。
42
*新品のOPTとスピーカー。
*OPTも余裕があるので発熱はありません。
*ハム音はスピーカー30Cmのところでかすかに聞こえる程度なので、ラジオとしては十分でしょう。

43
*トーン切替は4段です。
44
*アンテナ端子を新しく取付。
45
*シャーシーを入れます。
*OPTは電源トランスの誘導ハムを考慮して離しました。
*右の電解ブロックコンデンサー2本はダミーに残しました。

46
*ケースに入れたのでもう一度受信テスト。
47
*真空管が9本あるので雰囲気が最高。
48
*ハム音は殆ど感じません。
*音量は42PーPで20ワットスピーカーを鳴らします。

依頼者Y様お待たせ致しました
これでPHILCO
9球スーパーの
修理が終わりました
里帰りができます。

お預かり致して1ヶ月以上
私の都合で修理が
長くなり申し訳ありません。
49
*夜は良い雰囲気でラジオが聞けるでしょう。


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